実家じまい・実家の片付け

実家じまいとは?手順7ステップと費用の目安・始めるタイミング

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実家じまいとは?手順7ステップと費用の目安・始めるタイミング

親が施設に移った、あるいは亡くなって、誰も住まなくなった実家。「そろそろ手をつけないと」と思いながら、何から始めればいいのかわからず時間だけが過ぎている——実家じまいは、そんな状態から始まることがほとんどです。

結論を先にお伝えすると、実家じまいは「家族の方針決め → 相続・名義の確認 → 物の仕分けと処分 → 仏壇やお墓の整理 → 家そのものの扱い」という順番で進めると迷いが少なくなります。費用は家財の片付けだけなら約20万〜60万円、解体や墓じまいまで含めると総額100万円を超えることもあります(調査時点の目安)。この記事では、7つのステップと費用の内訳、見落としやすい期限のある手続きを順に整理します。

実家じまいとは

実家じまいとは、親が住まなくなった実家の家財を片付け、仏壇やお墓の扱いを決めたうえで、家そのものを売却・解体・活用のいずれかで整理することをいいます。「実家終い」と表記されることもあります。

遺品整理との違いは、対象の広さです。

主な対象始まるきっかけ
遺品整理亡くなった方の家財・持ち物親などの死去
生前整理本人が元気なうちに整理する持ち物本人の意思・転居
実家じまい家財に加えて、仏壇・お墓・不動産まで親の施設入居・死去・空き家化

つまり実家じまいは、遺品整理を含みつつ、不動産と祭祀(仏壇・お墓)の扱いまで決める作業です。関わる相手も、片付け業者だけでなく、買取業者・寺院・司法書士・不動産会社と広がります。だからこそ、手順を決めずに始めると途中で止まりやすくなります。

実家じまいを始めるタイミング

始める時期に決まりはありませんが、次の3つが区切りになりやすいタイミングです。

  • 親が施設や子世帯の家に移ったとき: 本人に希望を聞ける、最も進めやすい時期です。何を残したいかを本人の口から確認できます
  • 親が亡くなったあと: 相続手続きと同時に進むため、期限のある手続きに引っ張られます
  • 空き家のまま維持費が負担になってきたとき: 固定資産税・火災保険・電気水道の基本料金・草木の管理費が続きます

空き家を放置した場合の注意点として、「空家等対策の推進に関する特別措置法」に基づき、管理が不十分な家は「管理不全空家等」や「特定空家等」に指定されることがあります。指定を受けて市区町村から勧告されると、固定資産税の住宅用地特例(税額が軽減される仕組み)の対象から外れ、税負担が増える場合があります(出典: 国土交通省)。

ワンポイント

親が元気なうちに実家じまいの話を持ち出すのは気が引けるものですが、後から「これは捨てないでほしかった」と分かることも少なくありません。「片付ける」ではなく「大事な物を教えてほしい」という聞き方にすると、話し合いを始めやすくなります。

実家じまいの手順7ステップ

全体の流れは次の通りです。上から順に進めると、やり直しが起きにくくなります。

  1. 家族・相続人で方針をそろえる
  2. 名義と相続の状況を確認する
  3. 貴重品・重要書類を先に探す
  4. 「残す・売る・処分する」で仕分ける
  5. 売れる物を買取へ、残りを処分する
  6. 仏壇・神棚・お墓の行き先を決める
  7. 家そのものの扱いを決めて手続きを終える

ステップ1: 家族・相続人で方針をそろえる

最初に決めるのは「家を最終的にどうするか」です。売るのか、誰かが住むのか、貸すのか。ここが決まらないまま片付けだけ進めると、あとで方針が変わったときに作業が無駄になります。

同時に、費用を誰がどう負担するかも先に話しておくと、後のトラブルを避けやすくなります。費用負担の考え方は遺品整理の費用は誰が払う?で整理しています。

ステップ2: 名義と相続の状況を確認する

家の名義が誰になっているかを、登記事項証明書(登記簿謄本)で確認します。名義が亡くなった親のままだと、売却も解体の契約も進められません。

2024年4月1日から相続登記の申請が義務化されています。相続によって不動産を取得したことを知った日から3年以内に登記を申請する必要があり、正当な理由なく怠ると10万円以下の過料の対象となる場合があります。施行前に発生した相続も対象で、2027年3月31日までの申請が求められます(出典: 法務省)。

手続きの全体像は相続・遺言の基礎も参考にしてください。相続人が複数いる、名義が祖父母のままといったケースは、司法書士など専門家への相談をおすすめします。

ステップ3: 貴重品・重要書類を先に探す

仕分けの前に、次のものを探し出します。片付けの流れで誤って処分してしまうと、取り返しがつきにくいためです。

  • 預貯金通帳・印鑑・キャッシュカード
  • 権利証(登記識別情報)・保険証券・年金手帳
  • 遺言書・エンディングノート
  • 現金や商品券(仏壇の引き出し、タンスの奥、本の間に入っていることがあります)
  • 借入や保証に関する書類

ステップ4: 「残す・売る・処分する」で仕分ける

物を1つずつ悩むと進まなくなるため、部屋単位・引き出し単位で「残す・売る・処分する・保留」の4つに分ける方法が現実的です。保留の箱を用意しておくと、判断に迷う物で手が止まりません。

どこから手をつけるか迷う場合は実家の片付けはどこから始める?、きょうだいがおらず一人で抱えている場合は一人っ子の実家片付けも参考にしてください。

ステップ5: 売れる物を買取へ、残りを処分する

処分する前に買取を挟むと、処分費用そのものを減らせるうえ、買取代金を片付け費用に充てられます。値がつきやすい品目は実家の片付けで売れるものにまとめました。

残った物の処分方法は3つです。

方法向いているケース費用感
自治体の粗大ごみ回収量が少なく、時間に余裕がある1点数百〜数千円
遺品整理・不用品回収業者量が多い、遠方で通えない間取りに応じて数万〜数十万円
買取業者への一括依頼家具・家電・骨董などが多い買取額と相殺できる場合がある

業者に頼む場合の費用相場は遺品整理の費用相場、業者の見極め方は遺品整理業者の選び方で解説しています。

ステップ6: 仏壇・神棚・お墓の行き先を決める

実家じまいで判断に迷いやすいのが仏壇とお墓です。仏壇は閉眼供養(魂抜き)をしてから処分・引き取りに出すのが一般的で、詳しくは実家じまいで仏壇はどうする?にまとめています。

お墓が実家の近くにあり、今後お参りが難しくなる場合は墓じまいも検討対象になります。費用と流れは墓じまいの費用、遺骨の移し先は墓じまい後の遺骨はどこへをご覧ください。

ステップ7: 家そのものの扱いを決めて手続きを終える

最後に、家の扱いを確定させます。選択肢は主に4つです。

  • 売却する: 現金化でき、維持費と管理の負担がなくなります
  • 解体して更地にする: 売りやすくなる一方、更地は住宅用地特例の対象外となるため固定資産税が上がる点に注意が必要です
  • 賃貸に出す: 収入は得られますが、修繕や管理の手間が続きます
  • 保有し続ける: 判断を先送りできますが、維持費と管理義務は残ります

売却を選ぶ場合、「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」により、要件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円(相続人が3人以上の場合は2,000万円)を控除できる制度があります。適用には昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること、売却代金が1億円以下であることなど細かい要件があり、期限は令和9年12月31日までの譲渡とされています(出典: 国税庁、令和7年4月1日現在法令等)。適用可否は個別事情で変わるため、税務署や税理士にご確認ください。

実家じまいにかかる費用の目安

項目ごとの目安を整理します。どこまで行うかで総額が大きく変わります。

項目費用の目安補足
家財の片付け・遺品整理20万〜60万円3LDK・一戸建ての場合。物量で変動
ハウスクリーニング3万〜15万円売却前に行うことが多い
仏壇の閉眼供養・処分3万〜15万円お布施と処分費の合計
墓じまい30万〜150万円お墓がある場合。納骨先の費用を含む
家屋の解体(木造30坪程度)90万〜150万円付帯工事・立地条件で変動
相続登記5万〜15万円+登録免許税司法書士に依頼する場合。登録免許税は固定資産税評価額の0.4%
売却時の仲介手数料売買価格により変動宅建業法で上限が定められています

※ いずれも調査時点の一般的な目安です。地域・物量・建物の条件により変動します。

家財の片付けだけで終わるケースと、解体・墓じまいまで行うケースでは総額が数倍変わります。費用の詳しい内訳と抑え方は実家じまいの費用はいくら?、まとまったお金が用意できない場合は実家じまいのお金がないときで解説しています。

ワンポイント

売却の仲介手数料は宅地建物取引業法で上限が定められており、売買価格400万円超の場合は「売買価格×3%+6万円+消費税」が上限です。加えて、価格800万円以下の低い価格の空き家等については、現地調査等の費用を含めて30万円+消費税を上限とできる特例があります。実際の金額は不動産会社にご確認ください。

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実家の家財整理を、まず見積もりで比べる

実家じまいの費用で最も大きいのは家財の片付けです。【遺品整理110番】は全国対応で、現地見積もりを無料で依頼できます。総額の見当がつくと、家族での話し合いや次の手続きの計画も立てやすくなります。

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家族で揉めないための3つの決めごと

実家じまいでこじれやすいのは、物そのものより「決め方」です。着手前に次の3点を共有しておくと、後からの不満が出にくくなります。

  1. 費用の負担割合: 誰がいくら出すか、立て替えた分を精算するかを先に決めます
  2. 形見分けのルール: 価値のある物・思い出の品を、いつ・誰が・どう選ぶかを決めます。片付けを始めてから話すと感情的になりやすい部分です
  3. 作業を担う人の負担への配慮: 現地に通える人に作業が集中します。費用負担で調整する、日当を出すなど、労力の偏りを金銭面で埋める考え方もあります

避けたい進め方は実家じまいでやってはいけないことにまとめています。

まとめ

  • 実家じまいとは、家財の片付けに加えて仏壇・お墓・不動産の扱いまで決める作業を指す
  • 進める順番は「方針決め → 名義確認 → 貴重品探し → 仕分け → 買取と処分 → 仏壇とお墓 → 家の扱い」の7ステップ
  • 費用は家財の片付けだけなら20万〜60万円、解体や墓じまいまで含めると総額が大きく変わる
  • 相続登記は2024年4月から義務化され、取得を知った日から3年以内の申請が求められる
  • 空き家の売却には3,000万円の特別控除が使える場合があるが、要件と期限があるため事前確認が必要
  • 費用負担・形見分け・作業の偏りは、着手前に家族で決めておくと揉めにくい
実家じまいは何から始めればいいですか?

家族・相続人で「家を最終的にどうするか」の方針をそろえることから始めます。売る・住む・貸すが決まらないまま片付けを進めると、方針変更で作業が無駄になることがあります。次に登記事項証明書で名義を確認し、貴重品と重要書類を先に探し出してから仕分けに入る流れが進めやすいです。

実家じまいの費用はいくらかかりますか?

家財の片付け・遺品整理だけなら3LDK・一戸建てで約20万〜60万円が目安です。仏壇の処分(約3万〜15万円)、墓じまい(約30万〜150万円)、家屋の解体(木造30坪程度で約90万〜150万円)まで行う場合は総額が大きく変わります。いずれも調査時点の目安で、物量や地域により変動します。

実家じまいにはどれくらいの期間がかかりますか?

家財の片付けだけなら業者に依頼して数日から1週間程度ですが、方針の話し合い、相続手続き、仏壇やお墓の整理、不動産の売却まで含めると数か月から1年以上かかることもあります。相続登記の3年、空き家の3,000万円特別控除の期限など、期限のある手続きから逆算して計画すると安心です。

実家じまいと遺品整理はどう違いますか?

遺品整理は亡くなった方の家財・持ち物を整理する作業を指します。実家じまいはそれに加えて、仏壇・神棚・お墓の扱いと、家そのもの(不動産)をどうするかまで決める、より広い作業です。関わる相手も片付け業者だけでなく、寺院・司法書士・不動産会社に広がります。

誰も住まない実家をそのままにしておくとどうなりますか?

固定資産税・火災保険・光熱費の基本料金・草木の管理といった維持費が続きます。さらに管理が不十分だと空家等対策特別措置法に基づき「管理不全空家等」「特定空家等」に指定される場合があり、市区町村から勧告を受けると固定資産税の住宅用地特例の対象外となり税負担が増えることがあります。

実家じまいは誰に相談すればいいですか?

内容ごとに窓口が異なります。家財の片付けは遺品整理業者、相続や名義変更は司法書士、税金は税務署や税理士、売却は不動産会社が主な相談先です。まず家財の片付け費用の見積もりを取って総額の見当をつけると、その後の相談先も絞りやすくなります。

参考にした公的資料

※ 公的資料は本記事の調査時点で参照したものです。制度・要件・期限は改定される場合があるため、最新は各窓口・公式サイトでご確認ください。

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